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『無彩限のファントム・ワールド』11話 あらすじと感想 舞と晴彦の思いについて考えてみる。

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©秦野宗一郎・京都アニメーション/無彩限の製作委員会
晴彦が小学生になってしまった第11話。コメディとしんみりさせるストーリーの配分が絶妙で良かったと思います。
以下ネタバレ含むあらすじと感想。

*ネタバレ注意*

あらすじ

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ある夜、一人自宅で工作に勤しむ晴彦。
工具を取り出そうと机の引き出しを開けてみると、そこには古ぼけた箱があった。
その箱を開けてみると、そこには晴彦が小学生の頃の思い出の品が入っていた。
懐かしむ晴彦だが、一枚の作文を見つける。思わず晴彦はその作文を読み始めた。

次の朝、目を覚ました晴彦はなんと小学生の頃の晴彦になってしまっていた。記憶も小学生の頃に戻っている様子。

なんとか学校まで登校するが、行くべきクラスも見つからず、途方に暮れる晴彦。
そんなところへ、熊枕久留美が通りがかり、晴彦を職員室へと連れて行く。
さらに持ち物から、久留美はこの小さい晴彦が一条晴彦本人だと判断し、舞達のところへ連れてくる。
そうして、晴彦が元の姿に戻るまで、とりあえずのところは舞達のグループで小学生晴彦の面倒を見ることになった。

晴彦は舞の家で生活することとなる。
舞は晴彦とのなれない生活に苦労しつつも、小学生の晴彦との仲を深めていった。
舞は自分と同じく、晴彦も寂しい暮らしを送ってきたと知り、公園で一緒に遊ぼうと提案。晴彦もそれを受け入れた。

公園で遊ぶ二人。そこへ突如砂場のファントムがあらわれた。
撃退しようとする舞だが、なぜか能力が発動できない。
舞のピンチに、小学生の晴彦は舞を救いたいと願う。
願いが通じたのか、晴彦は元の姿に戻ることが出来た。
そして高校生に戻った晴彦の力でファントムを無事退治することに成功。
元の生活に戻ることが出来たのだった。

小学生に戻っていた時の記憶は無い様子の晴彦。
結局なぜ小学生に戻ってしまったのかはわからないように思われた。
舞はそのきっかけかもしれないという晴彦の作文を読む。
それはあるはずのない両親との楽しい思い出という嘘がかかれた作文だった。
思わず涙する舞。
小学生化したのは、この嘘の作文を叶えたかったためではないかと舞は思ったのだった。

右往左往する小学生晴彦

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いつものような晴彦の雑学ではなく、舞によるイントロで始まった今回。
晴彦はといえば昔の作文を読んでしまったがために小学生化してしまいました。

この小さい晴彦は記憶も小学生に戻ってしまったようで、自分の学校のクラスを探して右往左往してしまいます。
もうなんだか見てられないというか、今すぐ助けてあげたい。
そんなところへ久留美が現れます。これほど久留美が頼もしく見えるとは!

そんな晴彦ですが、小さくてもやはり中身は晴彦。
舞を翻弄するというか、からかっているかのような掛け合いが実に楽しかったです。
それにしてもカフカを読んでる小学生とか将来ひねくれた性格になりそうだなぁー。
高校生晴彦は結構まともそうですけども。

舞と晴彦の思いを考えてみる

小学生晴彦は周りの空気を読むことにも長けているようで、自分を元の姿に戻そうと必死に動く玲奈達を見て、悲しげな表情を見せます。
この晴彦にとっては、高校生の時の記憶はありませんから、それを見て、自分の存在が否定されているように感じてしまってもしょうがないでしょうね。

というか小学生晴彦に対してちょっとは気を使ってあげてよ!


ついには晴彦は自分もバイトをしますと言い出してしまいました。
疲労している舞の負担を減らそうというのもあるでしょうけど、それ以上に自分の居場所を作りたいという思いからの発言に感じます。

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舞はこの時に晴彦の思いについて色々察したのだと思います。
さらには後ほどの晴彦との対話を通して、この晴彦のことを「小学生化した元高校生の一条晴彦」ではなく「小学生の一条晴彦」つまりは一人の人間として、意識し直したのでしょう。

このように一人の人間として意識したために、舞自身一人なことが多く寂しい思いをしていたという自分の過去を、この目の前の晴彦に重ねあわせたのでしょう。
だからこそ、この晴彦に楽しい時間を過ごし欲しいとの思いが湧き、公園に誘ったというわけです。

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そして最終的に晴彦は元に戻り、以前の生活に戻りますが、小さくなっていた間のことは覚えていない晴彦。
晴彦の無事に安堵しつつも、一緒に生活していた間の生活は自分だけが覚えている。
この辺の舞の心情を考えるとなんだか切ないですね。

これまでで一番!

個人的にはこれまでの11話の中で一番面白かったと感じた回です。
心情描写が優れていて、特に晴彦の気持ちが実にわかりやすく描かれていましたね。
相変わらずファントムとの戦闘シーンもよく動いてましたしね!

そして珍しく怒った晴彦がカッコイイ! パンイチな点を除けばですが。


冒頭では小糸が玲奈に対して自然に笑いかけていたりと、それぞれのキャラの新たな一面が見れましたね。
特に晴彦と舞に関しては、一話完結型のアニメながらこれまでのキャラクターについての積み重ねがあってこその話で実に楽しめました。


そういえば舞が今回口走っていた
「母は物静かで優しい人だった。それで小さい時は自分もそうだった気がした。」
というのは3話での、過去の自分がおとなしい人間だと思っていたという勘違いのことについてですね。
3話を見た段階ではただ自分を美化していただけかと思っていましたが、そういった理由があったわけです。

今回の話で一気に舞の印象が良くなりました!

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