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【解説・考察】この美ED『恋する図形(cubic futurismo)』(上坂すみれ)の歌詞を解釈してみた

『この美術部には問題がある!』のED曲、上坂すみれさんが歌う「恋する図形(cubic futurismo)」のFullバージョンPVが公開されましたね。

www.youtube.com

革新的多面的な意匠が凝らされ、アバンギャルドロシア構成主義的な装いもみせる上坂すみれさんがまさにファム・ファタールであるという印象を与えるPVでした。

えっと、ようするにすみぺかわいい。


歌詞も公開されていたので、それぞれの単語の意味を調べて自分なりに解釈してみました。
難解な言葉が使われていますが、実はアニメ『この美』本編の内容に沿っており、ついでにロシア愛まで感じられる、おもしろい歌詞だなーと思います。

ちなみに私自身、美術(と音楽)の知識皆無で四苦八苦しながらの解釈なため、乱文もいいところです。
申し訳ない&あくまで参考までにどうぞ!

*著作権に関する注意書き*
以下、『恋する図形(cubic futurismo)』/上坂すみれ 作詞作曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND の歌詞を一部引用しています。
あくまでその批評が目的かつ文章の主体であり、必要最小限の歌詞掲載で、著作権を侵害する意思はないことをあらかじめ明記しておきます。

歌詞は以下のサイトを参考にしました。
恋する図形(cubic futurismo) 上坂すみれ | アニ歌詞PV

アニメ用EDのみを解釈

歌詞の解釈をしてみるのは、この美本編のED用に編曲された部分=一番+締めの部分の歌詞のみ。

曲の流れは以下です。
①サビから入り→②Aメロ→③A’メロ→④Bメロ→⑤サビ(⑥繰り返し)―【一番終了】→⑦2番飛ばして締め

アニメ本編を念頭に置いて解釈していきます。ので、一応キャラ説明。

  • 宇佐美みずき内巻に恋する美術部員
  • 内巻すばる二次元に恋する美術部員

①サビ―問題提起?―

Q. 美ism  多面的セオリー
逆説的シュプレマティスム
ART って表現手法 問題がある!

(作詞作曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
2016年 上坂すみれ『恋する図形(cubic futurismo)』からの引用。以下同様)

単語の意味

  • Q.美ism―キュビズム(立体主義)とかけています。平面である一枚の絵に複数の視点からの絵を描くもの。ピカソが有名。
  • ~ism―~主義。美ism=美主義。つまり美学?
  • シュプレマティスム―めちゃくちゃ抽象的な絵画。ただの黒い正方形だけの絵とか。

歌詞解釈

いきなりですけど、個人的に一番解釈に困るのがこのサビの部分。

Q. 美ism  多面的セオリー

【Q】美学とはなにか? という疑問。
【A】それは多面的で、色々な見方(視点、セオリー)があるよね。
という感じかな。

二次元に恋する内巻くんの美学を理解できないでいる宇佐美さんが抱く疑問を表しているのかも。

逆説的シュプレマティスム

二次元のキャラというのは、全く抽象的ではありませんが、それが好きだという内巻くんの感情は、逆説的に混じりっけのない(=一面同じ色な)感情だということ?

ART って表現手法 問題がある!

内巻くんは”自分の嫁”と称してアニメ絵キャラを美術部で描いています。
それには問題がある! という宇佐美さんの気持ち。

②A+③A’メロ―内巻への宇佐美の思い―

革新的嗜好 まさに論理的帰結
自己完結理想 描いていく Femme fatale( ファム・ファタール )
二次元的思考 介入したい次元軸
鑑賞主体希望 変えたい Perspective( パースペクティブ )

(作詞作曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
2016年 上坂すみれ『恋する図形(cubic futurismo)』からの引用。以下同様)

単語の意味

  • ファム・ファタール―運命の女。魔性の女を指す場合も。
  • パースペクティブ―パース。視点。見方。遠近法。

歌詞解釈

宇佐美さんの内巻くんへのもどかしいという気持ちが込められているように感じられます。

革新的嗜好 まさに論理的帰結
自己完結理想 描いていく Femme fatale( ファム・ファタール )

革新的嗜好=宇佐美にとって目に新しく、自分とは異なる内巻の嗜好。
そんな内巻は自分の内で完結している理想=ファム・ファタール=”二次元嫁”を描いていっている。

二次元的思考 介入したい次元軸
鑑賞主体希望 変えたい Perspective( パースペクティブ )

内巻はまさに二次元を求める思考をしているのを、自分(三次元)に振り向かせたい(次元軸に介入したい)という宇佐美さんの気持ち。

しかし、ふたりとも自分と相手という二点で頭がいっぱいで、第三者=三点目がある三次元的な思考ではなく、二次元的思考であるというダブルミーニング。


思春期である中学生にとっての「恋」という存在がいかに大きいのか、という事も込められているかのようですね。
そしてそんな相手の視点(パース)を変えたがっているということでしょうか。

④Bメロ―この曲自体について―

君と私 交差するリズム 立体未来主義
形而上の象徴、シュールな事象
Конструктивизм ( コンストラクティヴィーズム )

(作詞作曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
2016年 上坂すみれ『恋する図形(cubic futurismo)』からの引用。以下同様)

単語の意味

  • 立体未来主義―未来派(”過去の芸術の徹底破壊と、機械化によって実現された近代社会の速さを称えるもの”Wikipediaより)と立体主義が合わさったもの。

・・・なんのこっちゃ! 未来派というのは要するに未来的なもの=機械的でスピード感のある先駆的なものを賛美する派閥のこと、かもしれない(?)。
ちなみに曲名の一部であるcubic futurismoも立体未来主義を指すと思われます。

  • 形而上―目に見えるかたちのないもの。
  • シュール(レアリスム)―無意識や不条理を絵画に描こうとする主義のこと。意識したことのないものとかを描こうとする。
  • コンストラクティヴィーズム―ロシア語で書かれているのでロシア構成主義。キュビズムやシュプレマティスムから影響を受けていて幾何学的で抽象的。金属・ガラスなどの工業製品を組み合わせる場合もあるそうで、”生活と一体化した芸術”らしい。意味は不明。

『恋する図形』のアルバムのジャケットは、ロシア構成主義がテーマだそうです*1

歌詞解釈

立体未来主義とロシア構成主義の意味がよくわからないので解釈に困る~。
物語というよりは、この曲自体についての語りかなーと。

君と私 交差するリズム 立体未来主義

「交差するリズム」というのは、君(内巻くん)と私(宇佐美さん)という男女のかかわり合いをテーマとしたこの曲自体を指しているのかも。

そしてこの曲自体がテクノポップなので、それは未来主義的といえる・・・のかも(?)。
立体主義的というのは、この曲には多面的な視点が含まれている、つまりいろいろな解釈ができるよ、という意味かな。

形而上の象徴、シュールな事象
Конструктивизм ( コンストラクティヴィーズム )

歌詞のこの箇所にだけ、他の部分ではみられない「、(読点)」での区切りがあります。

並列のために読点を使っているとすれば、「形而上の象徴」と「シュールな事象」は両方共「コンストラクティヴィーズム」的である、とみるべきかな。

どちらも形がなく、無意識のうちに芽生えるものである”恋愛感情”をさしているのかも。
それは生活と一体化していて、生きていく上で必ずあるものだ、ということでしょうか。

⑤サビ(繰り返し)ー宇佐美の内巻への憧れー

Q. 美ism  多面的メモリー
感情性フォルマリズム
視線って表現光線 恋愛 GIRL プロパガンダ
For 美ism  視覚的メロディー
知りたい COLOR  アヴァンギャルド
一瞬の印象だって輝いてる

(作詞作曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
2016年 上坂すみれ『恋する図形(cubic futurismo)』からの引用。以下同様)

単語確認

  • フォルマリズム―作品の形式、つまり表面的な部分(言葉選びとか)を重んじる考え方。ふつうは文学批評のロシア・フォルマリズムを指す。重要な考え方に”異化”というのがある(異化について詳しくはWikipediaをみてみてください(異化 - Wikipedia))。
  • 光線―光線主義? 未来派と似ているらしい。
  • プロパガンダー宣伝。
  • For 美ism―フォービズムとかけている。野獣派。感情・感覚を派手で奇抜な色使いであらわそうという考え方。
  • アヴァンギャルド―前衛。ロシア・アバンギャルドが有名で、シュプレマティスムやロシア構成主義、立体未来主義などが含まれる。
  • 印象(派)―日本人大好き印象派。光の加減や変化などから受ける一瞬の印象を絵画上に再現しようとした派。”光”が大事らしい。

歌詞解釈

⑤サビ繰り返し―1回目ー

Q. 美ism  多面的メモリー
感情性フォルマリズム
視線って表現光線 恋愛 GIRL プロパガンダ

物事には多面的な見方があって、人によってその記憶のしかた、思い出の残り方は違う。

そんな違いを作り出すのは人の感情であり、それこそが、経験したことがたとえ日常的なものであっても、非日常的に感じさせるものです(フォルマリズム的な異化。)。

感情というのは例えば宇佐美さんにとっての恋愛感情であり、それこそが、宇佐美さんにとって内巻くんを特別で他とは違うと感じさせるものであるということ。

そんな恋する宇佐美さんは、アピール(プロパガンダ)している(けど、なかなか実らない)。

⑥サビ繰り返しー2回目ー

For 美ism  視覚的メロディー

野獣派、つまり肉食系(!?)女子である宇佐美さんにとっては、内巻くんの一挙手一投足が魅力的でメロディアスであるということ。メロディアスな動きって一体何だよとか考えてはいけないです。

知りたい COLOR  アヴァンギャルド
一瞬の印象だって輝いてる

カラーというのは相手の好みという意味? アバンギャルド=前衛=2次元趣味の内巻の好みを知りたい、理解したいということかな。

そんなある種遠い存在である内巻くんだけど、どんな一瞬の印象も、宇佐美さんにとっては輝いている。

⑦締め

愛無き世界に未来は無いでしょう?
鼓動高鳴っちゃう構図だって並べたい MUSEUM

(作詞作曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
2016年 上坂すみれ『恋する図形(cubic futurismo)』からの引用。)

歌詞解釈

これまで難しい言葉で意味もパッとはよくわからない歌詞が続いていましたが、最後はとてもストレートで強い主張を感じる歌詞ですね。

文字通りの意味と捉えれば良いのかなと思います。

「~並べたい MUSEUM」といのは、思い出としての記憶=MUSEUM(美術館)に、良い思い出を残したいという気持ちが表されているのでしょう。

歌詞解釈のまとめ

というわけで、一部分ではありますが『恋する図形(cubic futurismo)』(上坂すみれ) の歌詞を自分なりに解釈してみました。

総じて、思春期の女の子にとっての恋の大きさ、相手に対するみずみずしい思い、相手を理解したいけどイマイチわからないもどかしさといった、青春模様が描かれた歌詞なのかなーと思いました。

全体的に難しい言葉が使われていて、好きだけどなかなか思いを表には出せないという悩み、みたいなものも込められているように感じました。
しかしだからこそ、最後にハッキリと「愛なき世界に未来は無い」と言っていることが際立ちますね。


そして、明らかに歌うのが上坂すみれさん(ロシア好き)であることを意識していると思われるロシアと関係の深い言葉の数々。
とてもおもしろい歌詞だと思います。


ちなみに私の解釈は、あくまでアニメ本編のストーリーを念頭に置いていますし、美術用語に関しても、美術学的な文脈を完全に無視しているので、その点もふまえるともっと別の解釈ができそう。

他の人の解釈をぜひ聞いてみたいところです。


www.youtube.com

<アニメ感想記事も書いてます>
dondontyakutyaku.hatenablog.com

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