【考察】『無彩限のファントム・ワールド』 4話 考察 最後の黒い石の意味とは
*ネタバレ注意*
玲奈がメイン!
さて、第4話は、玲奈がファントムをきっかけとして家族との関係を見直すに至るという感動的な話でした。
しかし、見ていくといくつか疑問点が湧いてきます。そこで、今回は感想は省略して、疑問点を中心に4話のストーリーについて考察していきたいと思います。
その疑問とは
・両親との和解があっさりすぎない?
そして
・最後の割れた黒い石は何?
という二つです。
両親との和解があっさりすぎない?
おそらく、誰もが疑問に感じたと思うのですが、玲奈と両親との和解があまりにも簡単に済んでいます。
玲奈の言葉を引用すると
『このクラブ(舞たちのファントム退治クラブのこと)に入ったなんて両親に言ったら、絶対反対されて、きっと転校させられます』
とまで言っています。もし本当にそんな両親だったならば、こんなに簡単に話し合いが済むはずがありません。
もちろん、晴彦と舞を主人公としたこのアニメにおいては、言ってしまえば重要ではないシーンですので、省略されるのは当然かも知れません。
ですが、以下の疑問点と合わせて考えると、ひとつの結論が得られます。
最後の割れた黒い石は何?
最後のシーン、ファントムの問題を解決し、玲奈は自宅の門をくぐり、両親が待つところへと、階段を上がっていきます。ふと足を止め、傍らに視線を向けるとそこには幾片にも割れた謎の黒い石が。
©秦野宗一郎・京都アニメーション/無彩限の製作委員会
一体この黒い石はなんなのか?
本編を見返してみると、ファントムと遭遇しているシーンに二本の石柱が。割れた石はこの二本の石柱のかけらなのだと思います。というか他にそれっぽいものが見当たりません。
この石柱は、登場シーンからいってまず間違いなく、玲奈の両親を表しています。その石柱が割れているとはどういうことなのか。
ここで大事なのは、石柱は両親そのものではなく、あくまで玲奈のイメージする両親を表している、という点です。なぜならこのファントムは、玲奈の理想、つまりは考えを反映しているからです。
石柱が割れたというのは、玲奈の両親に対するイメージが崩れたということを表しているのではないでしょうか。なぜイメージが崩れたかといえば、両親との和解のきっかけである話し合いをしたからです。
それまで、クラブに入っていることを話せば転校させられるかも、なんていう誤ったイメージを持っていた玲奈ですが、両親と向き合い、話し合うことによって、そのイメージが崩れたということです。
結論
それまで玲奈が抱いていた両親へのイメージが誤っていた。なぜなら玲奈が両親と向き合ってこなかったから。
というのが結論です。
であれば、和解があっさりだったのも頷けます。なぜなら、元々両親は、それほど玲奈を押さえつけるつもりもなかったのですから。玲奈が勝手に、両親には話せない、と、向き合うことを避け続けてきただけなのです。
なぜこんな誤解をしてしまったのかといえば、本編ではあまり触れられていませんが、好きだった姉が両親との対立により家を出て行ってしまったからでしょう。
改めて上2つの疑問を振り返ると、
・両親との和解があっさりすぎない?
→元々玲奈が考えてるほどの溝はなかった。
・最後の割れた黒い石は何?
→玲奈の、両親に対するイメージが変わったことを、暗に示している。
ということなんじゃないかと。
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